我が家には16歳の老猫ちゃんがいます。
15歳の時に卵巣嚢腫・乳がん(乳腺腫瘍)が発覚
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乳腺ほぼ全摘出と避妊手術(子宮卵巣全摘出)を同時に行うという大手術をしました。
乳腺腫瘍は今回が初めてではないので、過去の手術経験や今回の大手術に至るまで、そして抜糸後の経過や実際の手術の費用など詳しく説明していきます。
※術後起こったトラブルについてはこちらの記事で↓

大手術に至るまで
1度目の乳腺摘出
元々は実家で飼っていた猫で、今回手術をしてもらった病院とは別のかかりつけの動物病院がありました。
田舎町だったので動物病院の数は限られていて、その病院以外には行ったことはありませんでした。
初めて乳腺腫瘍を見つけたのは9歳か10歳の時でした。(曖昧でごめんなさい)
詳しい状況は分かりませんがそのときは左下の腫瘍のある胸だけを取り除く部分摘出手術をすることになったようです。
2度目の乳腺摘出
そして手術して2年後に、今度は反対側の右下の胸に再び乳腺腫瘍が見つかりました。
※猫の乳腺は全部繋がっているので、部分摘出だと再発率がかなり高いと言われています。
今回お世話になった先生曰く、再発して二度目の手術となるとその後の再発のことを考え普通は全摘出を勧められるとのことですが、その時も右下の腫瘍がある場所だけの部分摘出手術でした。
また、うちの猫は避妊手術をしていなかったのですが、
乳腺腫瘍の手術を行うときは避妊手術がまだの場合はそちらも一緒に行うことが多いらしいのですが、当時の病院で避妊手術を勧められることもなく手術はしていないままでした。
小さいうちに避妊手術をしておくと、乳がんの発生率がかなり低くなると言われています。
当時のうちの家族はそういった知識が全く無くて、完全室内飼いで外に出ることがなかったので妊娠の心配もないし避妊手術の必要はないだろうと思っていました。

もっとちゃんと知識があって早くに避妊手術をしてあげていれば今回の大手術は防げたかもしれない…とみんなで大反省しました💦
毎日の嘔吐
そして、二度目の乳腺腫瘍部分摘出手術を終えてしばらくしてから猫ちゃんは毎日吐くようになりました。
1日最低1回は吐いてました。数回吐く時もありました。
おかしいと思い病院に連れて行ってもらいましたが、特に検査もなく
「老化現象です。年をとってるから吐いているだけ。仕方ないです。」
と言われました。
そして「もし次にまた乳がんが見つかっても老猫なので体の負担が大きいのでもう手術は出来ませんよ。」とも言われました。
もっと早くセカンドオピニオンに行っていれば良かったものの、家族みんな”病院の先生が言っているんだから老化現象なんだろう”と疑うことなく信じていました。
消化しやすいように餌は細かくしてあげてと言われたのをしっかり守り、キャットフードはいつもミキサーで砕いて粉状にしてあげていました。
しかし、餌を粉々にしてもそれから数年間毎日のように吐いていました。
それでもみんな老化現象だから仕方ないと思い込んでいました。
しこりと新しい病院
その後、色々あって私達夫婦の元で猫を引き取ることになりました。
相変わらず毎日吐いていました。

いくら老化現象といってもこんなに毎日吐くのはおかしいんじゃない??

たしかに…そうだよね…
そしてある時お腹を触っていたら、米粒くらいの小さなシコリをいくつか見つけました。
数ヶ月前にはなかったので、乳がん再発じゃないか?と家の近くの動画病院を探して、今回の病院に行くことになりました。
新しい病院での診察
過去の手術の話と毎日吐く症状など全て話して詳しく検査してもらうことになりました。
するとやはり乳腺腫瘍がありました。
それも小さいシコリがあちらこちらにあるので乳腺は全部取ってしまった方が良いと言われました。
(ちなみに猫の乳がんは手術で取り除いてからでないと悪性か良性か分かりません)
そして、毎日吐いていた原因は卵巣嚢腫でした。
エコーで見ると卵巣あたりにでっかい腫瘤があり、ほかの内臓が圧迫されて(特に胃腸)それが原因で食べても食べても押し出されて気持ち悪くなって吐いていたとのことでした。
そして、「多分この腫瘤は二度目の乳腺摘出手術の後にホルモンバランスの乱れから出来たものでしょう」とのことで、
いくら年をとったからといって何も原因がないのに毎日吐くことはほぼありえないと言われました。
15歳と年はとっているけど、血液検査の数値も問題ないのですぐにでも乳腺全摘出と卵巣腫瘤を取り除く手術をした方が良いと言われました。
かなりの大手術になるが、今しかないですよと。
家族がずっと信じて通っていた病院では「次に乳がんが見つかってももう年寄りなので手術はできない」と言われていたので、
こんな大手術本当に大丈夫かな?と心配になり即答出来ずに一度帰りました。
セカンドオピニオンへ
全身麻酔の体への負担も心配だしもし何かあったらと不安で、色々調べるだけでは安心出来ず違う病院にも行ってみることにしました。
経緯を説明して見てもらったところ、
「自分だとしてもその先生と同じ手術を勧めます。」
と言われ、先に診てもらった病院名を伝えると「その先生はとても信頼できる腕の良い獣医さんですよ」と言っていただいたので決心がつきました。
(他の病院の先生をそういって褒められる先生にも感動)
うちに帰りすぐに初めに診てもらった病院に電話をして手術をお願いすることにしました。
いよいよ、大手術
大手術ということもあり手術後は3泊4日入院することになっていました。(本当は2泊3日の予定でしたが、病院の休診日の都合で迎えに行けるのが3泊4日後しか無理だと言われた)
手術当日、病院に猫ちゃんを預け、「手術が終わり目が覚めたらお電話します」と言われたのでソワソワしながら待っていました。
大体このくらいの時間かな?と言われていた時間を過ぎていたので、何かあったのかと不安で思わずこちらからかけてしまいました。
無事に手術は終わり、麻酔から覚めるのを待っているところですと説明を受けました。麻酔が効きやすいようでなかなか麻酔から覚めないとのことでした。
電話後は手術が無事に終わった安心と同時に、

麻酔にかかりやすいって、もしこのまま目を覚まさなかったらどうしよう??!!
と余計に不安になってました。
術後の様子
その後、無事に目を覚ました連絡をもらい4日後にお迎えに行きました。
包帯ぐるぐるの姿で私と旦那の声に反応してヨタヨタと歩きながら顔をスリスリしてきたのでホッとしました。
大手術と初めての入院で不安もあったのか、先生からは4日間ほとんど食べてなくて点滴で栄養は与えていたけど術後は体力も衰えるので少し心配だと言われていました。
うちに帰るとか安心したのか真っ先に餌の前に行きバクバクと餌を食べていたので安心しました。やっぱりお腹空いてたんだな〜
手術してからは吐くこともなくなって(たまに毛玉を吐いたり、勢いよく食べ過ぎだ反動で吐くことはありますが)、16歳とは思えないくらいに元気いっぱい。
手術して本当に良かったと思ってます。
新しい病院を見つけて本当に良かったです。

抜糸後の傷跡の経過
抜糸直後のお腹↓
抜糸数日後↓
抜糸後しばらくしたらすっかり傷跡無くなりました↓
抜糸一年後にはすっかりモフモフ元通り↓
手術にかかった費用
事前の検査費用
- 初診料 1,080
- 採血料 6,048
- 超音波検査 5,400
- レントゲン 5,400
合計 17,928円
手術費用
全身麻酔をかけていられる時間と、同時に行う避妊手術の時間や乳腺手術にかかる時間を考慮して考えてもらった結果、乳腺全摘出は時間がかかり厳しいので左一番上以外の乳腺摘出になりました(片側全摘出、片側左一番上以外の部分摘出)
合計 123,487円
赤線の部分が今回行った手術内容です。
2泊3日分、入院代も込みの料金です。(実際の入院は3泊4日でしたが本来は2泊3日の予定が病院側の都合で3泊4日になったので料金は2泊3日分です)
卵巣嚢腫の写真
取り除いた卵巣嚢腫を見せてもらいましたがとても大きくて驚きました。
人間で言うとボーリング玉をお腹の中に入れて過ごしている感覚らしいです。

そりゃ毎日吐いてしまうわけだ…

ずっとこんな大きな腫瘤を抱えながら暮らしてたと思うと、早く見つけてあげられなくて申し訳ないね…
取り除いた卵巣嚢腫の写真です。
(※グロ画像です。見たくない方はこれ以上下に進めないで下さい)
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目の前の風船のように膨らんでいるのが今回見つかった腫瘤です。
赤丸が反対側の卵巣で通常はこの大きさとのことであまりの違いに驚きました。
(奥の瓶は取り除いた乳腺です)
今の病院に行っていなかったら、昔行っていた病院の先生の老化現象だとかもう手術は出来ないという言葉を信じて放置していたと思うので、
そしたら今頃元気な姿は無かったかもしれないと思うと、本当に見つけてあげられて良かったです。

